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中国工夫紅茶の製造工程 —— 6 つのステップ
中国工夫紅茶の製造工程を、愛好家向けではなくバイヤー向けに通しで説明した日本語の資料はほとんどありません。これがその一つです。
更新日 2026-08-01 · 8 分で読めます

オーソドックスな中国紅茶 —— 工夫紅茶 —— は 6 つの工程で作られます。萎凋、揉捻、発酵、乾燥、篩分と火入れ、そして審評と包装です。各工程は品質が生まれる場所であると同時に失われる場所でもあり、これを理解して初めて規格書を正しく読めます。
これは CTC 製法(crush-tear-curl)とは異なります。CTC は葉を機械的に破砕し、ティーバッグ向けに速く抽出される顆粒を作ります。CTC は量の製法、工夫は葉の完全性を保つ製法です。中国紅茶のほぼすべてがオーソドックス製法です。
1. 萎凋(いちょう)
生葉を棚や萎凋槽に 12〜16 時間広げ、水分を落とします。通常は約 75% から 60〜62% までです。目的は物理的なもので、揉捻で裂けない程度に葉を柔軟にすることです。同時に、タンパク質がアミノ酸へ分解される化学変化も始まります。
萎凋が不足すると揉捻機で葉が砕け、切れ等級が増えて歩留まりが落ちます。過度の萎凋は香気を取り返しのつかない形で損ないます。湿度と通風は管理されており、湘西の春の湿度では屋内で送風しながら萎凋するのが主流です。
2. 揉捻(じゅうねん)
萎凋した葉を、圧力を段階的に上げながら 3 回に分けて揉みます。通常は各 30〜45 分で、段階の合間に塊をほぐします。揉捻は 2 つの働きを同時に果たします。細胞壁を破壊してポリフェノールオキシダーゼが基質に触れられるようにすること、そして仕上がりの条索(撚り)を作ることです。
要は圧力です。弱すぎれば発酵が不均一になり、強すぎれば葉が砕けてロット全体の等級が下がります。
3. 発酵(はっこう)
紅茶を紅くするのがこの工程で、最も誤解されやすい用語でもあります。中国語の「発酵」は字義どおりには fermentation ですが、微生物による発酵は関与しません。酵素による酸化です。ポリフェノールがテアフラビンとテアルビジンに変化し、これが水色と、仕上がった液のコクの大部分を作ります。
| 項目 | 一般的な範囲 | 外れたときの症状 |
|---|---|---|
| 温度 | 22 – 28 °C | 高すぎ:酸っぱく平板。低すぎ:青臭く鋭い |
| 相対湿度 | 90 – 95% | 低すぎ:不均一、縁が乾く |
| 時間 | 3 – 5 時間 | 時計だけでなく香りと色で判断する |
| 堆積の厚み | 8 – 15 cm | 厚すぎ:熱がこもり発酵が暴走する |
経験のある製茶者は、終点を香りで判断します。青草の調子が果実と蜜に変わる瞬間です。あわせて色 —— 葉が緑から銅色へ移る度合い —— も見ます。同じ生葉から出発しても製造者によって差が出る最大の要因が、この判断です。
4. 乾燥(かんそう)
熱風で発酵を狙った点で止め、水分を保存可能な水準(通常 6.5% 未満)まで落とします。一般には途中で休ませて 2 回に分けます。1 回目は高温で酵素活性を素早く止め、2 回目は低温で仕上げます。
乾燥が速すぎると表面だけが固まり内部に水分が残ります。この状態ではどう包装しても保管中に劣化します。逆に遅すぎると、狙った点を越えて発酵が進みます。
5. 篩分と火入れ(精製)
乾燥した茶を粒度で篩い分け、風選で繊維や茎を除き、必要に応じて手で拣別し、最終水分まで火入れします。等級の分離はここで起こります。インペリアル、プレミアム、業務用、ティーバッグ用裁断は、同じ原料ロットから同じ選別ラインで分かれて出てきます。
バイヤーとして理解しておく価値があります。ある生産者が同じ茶で 4 等級を提示できる理由がここにあるからです。それは 4 種類の別々の茶ではなく、1 回の生産の 4 つの画分です。
6. 審評と包装
全ロットを保管中の基準サンプルと照合して審評し、出荷可否を判断する前に残留分析用のサンプルを採取します。合格したロットは、ロット番号と製造日を記した内アルミ貼のダンボールに詰めます。
規格書を読むときの目安
- 含水率 6.5% 以下は適切な乾燥を示す。7% を超えると保管リスクが上がる。
- リーフの比率が高いのは、萎凋と揉捻が丁寧である証拠。
- 葉底の色が均一なら発酵も均一。まだらなら急がされている。
- ダンボールにロット番号と製造日があるのは、実際に工程管理をしている生産者の証。